相棒を維持するにあたって、可能な限りノーマルな状態を保ちたい。そういう想いが強く、キャブレターを変更せずになんとか乗っていたが、もはやキャブレター本体に歪みが生じていたり、各部の気密性の低下を修正することが困難になってしまった為、低回転で不安定な症状がひどくなってきたので、キャブレターを変更することにした。 ケイヒンのPWKを模した構造で、ジェット類もPWKと互換の台湾製キャブレターを購入。ベンチュリー長が短く、本来、2サイクルエンジンに使用するようなキャブレターなので、扱いにくそうだなあと思いながら、若い頃、散々2サイクルエンジン車を乗り回していた頃の刺激を求め、相棒にセットすることに。 その性能は素晴らしかった。低回転の不安定は大幅に改善され、ノーマルのキャブレターと違い、平べったいスロットルバルブをワイヤで直接引っ張り上げる構造のため、スロットルグリップの動きにダイレクトに反応するようになった。当初、その感覚に戸惑ったが、今となっては刺激的でとても気に入っている。
50年前のオートバイは、これだけでは私を許してはくれなかった。 低回転は大幅に安定したのだが、アイドリングで失火する傾向があり、これは電気系統だと思った。メインワイヤーハーネス、ボルテージレギュレター(充電電圧を調整する装置)、レクチファイヤー(交流で発電した電気を直流にする装置)こちらもアールプロジェクツ株式会社 から購入。ついでにフロントフォークのオイルシールやスイングアームピボットの金属ブッシュ(ノーマルは樹脂製)も購入し、更に、充電電圧を管理するために電圧計を購入。
スイングアームのピボットブッシュ交換はなかなか効果的だった。また、1970年当時の充電系統には不安があったが、近代的なレギュレター・レクチファイアー一体型をスピードメーター脇に取り付けた電圧計でモニターできるようになった。しかし、アイドリング時の失火は治らないのである。 25年前、相棒を組み直した当初から続けていたポイント式バッテリー点火というシステムを捨てることにした。フルトラ点火に変更するキットが各種販売されているが、エンジンを高回転で回し続けてトランジスターユニットを焼いてしまったなんて話をよく耳にする。そうなってしまったら、ユニットを交換しなければ再びエンジンをかけることができない。ポイント点火であれば、出先でも車載工具でなんとかなる。 |
このフルトラ大作戦は効果的面!今まで1500rpmでも安定しなかったアイドリングが1000rpmでも安定するようになった。これで信号待ちで冷や冷やすることもなく、すっかり実用的になったので、中古で譲ってもらったETCを強引に取り付け、以前からやろうと思っていたエンジンマウントの強化を行い、コーナリングでの不安定さも改善された。 |