ミッショントラブル 「1st」「 N」に入らない。

 赤信号。停止線で止まろうと、ブレーキを握りながらシフトダウンし、ニュートラルへシフトする。

  「!」

 ニュートラルに入らない。仕方なくクラッチレバーを握ったまま信号が変わるのを待つ。
 信号が青に変わり、発信するといつものような暴力的な加速をしない。2速発進だ。私は、XS-1でこのような経験を三度体験した。チェンジシャフトを介してシフトカムを回す部分に不具合を生じているのだ。

 シフトカムに刺さっているダウエルピンを、チェンジシャフトで引っかけて回すしくみだ。クラッチユニットを外すと顔を出す。クラッチユニットを外すという段階で、専用工具か、インパクトレンチがないと手が出せないので要注意だ。また、プロに修理を依頼しても、地獄のバイブレーターXS-1の場合、通常の修理では、再発する可能性が大きいため、私の取った対策を参考にして欲しい。

 画像のように、シフトカムに刺さっているダウエルピンを押さえている星形のプレートがある。このプレートをシフトカムに止めている5mmのスクリューが緩み、ダウエルピンが抜け、チェンジシャフトが空回りし、シフトカムを回せなくなるために特定のポジションにシフト出来なくなっているのだ。

 通常、このスクリューを締めるに当たっては、シフトカムのねじ穴を脱脂し、ネジロックなどを使う。これで十分のはずなのだが、私のXS-1には、その常識が通じないようで、次の画像に示すようなワイヤーロックを施すことにした。

 標準では、パンヘッドのスクリューが使用されているが、ワイヤーロックするための穴を空けるには、画像のような六角のボルトや、キャップボルトでないと穴を空けにくいので、今回は六角のボルトを使用した。このボルトは、ごく初期のものでは15mmを使用しているが、それ以降のものは35mmである。いずれにせよ、クラッチユニットが覆い被さっているため、このボルトが抜け落ちることはないが、緩んでしまうとダウエルピンが抜けてしまう。抜けたダウエルピンは、ミッションケース内には入り込まず、クラッチケース側に落ちているので、分解時に紛失しないように注意。

 2004年10月19日

愛しのXS-1トップへ

トップページへ