納豆でやせる× マンデリンでやせる△ 自転車でやせる○

 ほぼ毎日納豆を食べている私には、とてもショッキングな出来事だった。

 週に二三回、近所のスーパーで食料を買いに行くのだが、自宅の冷蔵庫にストックが無くなると不安でいられなくなるもの二つのうちの一つである「納豆」がスーパーの売り場から姿を消していた。
 幸い、自宅のストックが三つあったので、気絶しないですんだ。ちなみに、無くなると不安になるもののもう一つは、カスピ海ヨーグルトである。
 後日、テレビのニュースで、納豆がスーパーから消えた原因を知る。
それがまた、真っ赤な嘘だったというのだから「アホや、」と思った。

 情報を流す側も問題だが、真に受けて納豆を買い占めた側もどうかと思う。

 以前、「浅煎りのマンデリンがやせる」との情報が流れたときには、姉に頼まれ、何度か浅煎りのマンデリンを買いに行った。
 マンデリン好きの私には、浅煎りのマンデリンというのはタブーで、やや深煎りにした方が、マンデリンの個性が出て、特にエスプレッソで飲む場合は、濃厚な味になり、下手な高級豆よりも私の好みである。

 コーヒーのカフェインが体内脂肪を燃やすのに効果があるという話は、以前から知られていたが、マンデリンにはほかにもダイエットに有効な成分が多く含まれているとの事だが、果たしてその効果とは、どの程度のものなのか。
 このカフェインであるが、熱に弱いらしく、煎る段階、抽出される段階で、抜けていくらしい。ということは、深煎りの豆を高い温度のお湯で抽出すると、カフェインが抜けてしまう。反対に、浅煎りの豆を、低い温度のお湯で抽出するとカフェイン成分が豊富なコーヒーが出来るはずだが、温度が低すぎても養分が十分に抽出されない。しかも、あまりうまくない。
 そこで、私がおすすめするカフェインが豊富なコーヒーは、好きな豆を深煎りにし、細挽きで淹れる水出しコーヒーだ。
 これが、深入りにした時点でカフェインがかなり抜けてしまいそうだが、時間をかけ、じっくりと養分を抽出するので、ものすごくカフェインが多いようだ。胃の弱い人は、かなりの刺激になるため、やめておいた方がいいだろう。まあ、胃の弱い人は、ダイエットとは無縁だと思うが。

 豆に関しては、通常コーヒーショップではあまり販売していないが、ロブスタ種の豆は、通常の豆よりもカフェインがものすごく多く含まれているらしい。
 ただ、ものすごくまずいので、ブレンド用として、他の豆に少し混ぜる程度にしておいた方がいいだろう。また、このロブスタ種は、インスタントコーヒーに多く使われている。ただでさえインスタントコーヒーは、カフェインが多く含まれているのに、安いインスタントコーヒーは、ロブスタ種の豆を多く配合しているので、カフェインてんこ盛りだ。さらに、カフェインをもっと必要とするのであれば、お湯ではなく、水で淹れるインスタントコーヒーで、キマリだ。

 脂肪を燃焼させるのに有効なカフェインであるが、全く運動をしないのであれば、ただ消化器を痛めるだけなので、「マンデリンでやせる」は、△なのである。

 さて、自転車はやせるのか。やせる。正確には、脂肪を燃焼させる。

 私の場合は、体重が減ることはあまりないが、大量にカロリーを消費している。たとえば、ロードレーサーに乗って、そこそこアップダウンのある横浜市内の道(環状二号線)を、45km。平均速度30km/hで走る。これで約2,000kcal消費している。そのせいか、無性に甘いものを食べたくなり、徳用チョコレートを一気に一袋食べてしまうこともある。それでも太らないのだ。

 これは内腿筋が多くの栄養分を消費しているものと思われる。
 競輪選手のように短距離を全速力で走る人は、腿の外側や脹ら脛に筋肉を付けるが、比較的のんびり、ゆっくり走る場合は、股関節あたりから腿の内側の筋肉が付くようだ。自転車に乗ると股が太くなると心配する女性も、競輪選手のようなトレーニングをしなければ大丈夫なのである。 

 日常的に自転車に乗っているが、全くやせないという人にちょっとしたアドバイス。
 まずはサドルの高さを調整する。サドルにおしりを乗せて、両足がべったり地に着くようでは、うまく自転車を漕げないばかりでなく、膝を痛める可能性がある。目安としては、裸足で自転車にまたがり、股関節からペダルを一番遠いところに持って行った状態で、ペダルの中心にかかとを乗せ、膝がほぼ伸びきるところまでサドルをあげる。
 停止するとき、足がべったり付かないと不安になるかもしれないが、このポジションになれれば、断然自転車が漕ぎやすくなるはず。
 さらに、ペダルの軸に土踏まずの乗せて走っている人がいるが、もう少し足を手前に引いて漕いでみよう。つま先立ちをして、自分の体重が乗っている部分がわかると思うが、その辺をペダルの軸に乗せて自転車を漕ぐ。

 そして重要なのは、必ず信号を守る。スポーツ車に乗っていても信号を守らない人をよく見かける。ただ、危ないからというだけではない。停止状態から自転車を発進するときこそ、筋力、バランス感覚ともに鍛えられるトレーニングなのだ。それ以前に、子供がまねするから、信号は絶対に、絶対に守る。
 大通りに出るとき、必ず、必ず、必ず、左右を確認。絶対に。 

 「これさえ食べればやせる」たぶん、こんなものは通常の食べ物ではなく、薬や、菌、生物くらいだろう。やせたい人は、体を動かす。
 私も中年の域に入りかけ、同世代の人間がスポーツジムに通っているなんていう話を耳にする。筋肉は付くだろう。しかし、動体視力、バランス感覚、反射神経など、運動神経というものは、養われない。そんなところにお金を使うよりも、「正しく自転車に乗る」これが何より。

 あっ、納豆を買いに行こう。

             2007年1月21日 爺チャリでも信号を守る

飯塚隆行


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