さようならゴールデンバット
「決意」

 生まれて初めて禁煙した。もう、たばこが吸えなかった。と、これ以上私が体調を壊したことばかり書いてしまうと、太宰治の世界に突入してしまうので、省略する。

 禁煙なんてバカらしい。無敵の男はずっと、そう考えていた。しかし、吸えなくなってしまったのは、良い機会かもしれない。そう思った。
 私がアシスタント時代を過ごした10BANスタジオ竹芝にある、写真家・水本和之氏の机の上には、日付の書かれた吸いかけのたばこがビニールフィルムに包まれたままになっているのを思い出した。その日から、水本氏はたばこを吸っていないとのこと。
 私も水本氏を見習って禁煙を決意した。あめ玉をしゃぶり、ビーフジャーキーを咬み、あう人あう人、たばこをやめると宣言した。こどもの時からお世話になっている歯医者の先生に、禁煙三日目、禁煙を止めると宣言した。歯医者の帰り、自動販売機でショートピースを買おうと思っていたが、ショートピースが無く、ショートホープを買う。更に、カートンに残ったゴールデンバットを吸い終えると、ゴールデンバットと決別し、缶ピースを吸うことにした。

 一見間抜けな禁煙体験談に思えるが、ゴールデンバットは一日に50本くらい吸っていたが、缶ピースにしたら、一日に25本程度になった。

 しかし、たばこの値上げがほぼ確実となっている。こんどこそと、思うのであった。

 2006年1月27日

私的作品