コーヒーショップの「看板娘」
ここ数年通っているコーヒーショップがある。この店が出来てから、私のコーヒー豆消費量がぐんと上がった。ピーク時には一週間に浅煎りの豆を500gと深入りの豆を500gを消費するようになった。ある日、男ばかりの店に女の子が入ってきた。てっきり学生アルバイトかと思えば、かなりの知識の持ち主であった。岡田さんという。
私が面倒を見てもらっている事務所が、飲食店を開く際、日本製のコーヒー豆を入手できないかと相談され、コーヒーショップに話を持ちかけたところ、情報をくれたのが岡田さんであった。 昨年秋、岡田さんがお店を去ることを知らされる。「なんだあ、看板娘がいないコーヒーショップなんてクリープを入れたコーヒーみたいだ」とは、言わなかったが、店を出て、オートバイのエンジンをかけた直後に別のスタッフが私のところへやってきた。岡田さんへタンパー(エスプレッソコーヒーを淹れるのに使う道具)に彼女の頭を付けたものをプレゼントしたいという。そりゃ無理だと思い、タンパーはタンパー、人形は人形として作ることになった。しかし、人形とタンパーをどう融合させるかと先方と私とで、悩んだが、店の一番若いスタッフが、「岡田さんがタンパーを押しているのはどうでしょう」と、名案を出した。 何よりもうれしいのは、プレゼントに私の作品を選んだ店のスタッフ達の気持ちであった。 2006年1月27日 |