Vespa GP 62号車 | ||||||
ん〜Vespa GPにでたい。しかし、30年以上サーキットから離れているし。同行してくれる人がいないと走れないし。 かつて、自転車競技で集団落車し、病院直行、兄に茨城県までサニトラを引き取りにきてもらうことがあった。さらにもっと前、筑波で父に、そのちょっと前、母に。 何をすればいいのか。Vespa 専門店 ボングーにメールを出してみる。 この瞬間、「Vespaのある生活」が、「Vespa道」に変わった。 |
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まずは話しましょうと、ボングー店主 尾西洋一氏(以下ボス)から回答があり、PX177で茅ヶ崎に向かう。天性の方向音痴と興奮していることも影響し、茅ヶ崎市街をぐるぐる回りながら到着。 不安要因は解消され、ベース車両を探してもらうようお願いした。 |
数日後、以前Vespa GPを走っていた車両を譲ってもらう。家に持ち帰ると即日分解。必要な部品をボスに手配してもらう。 |
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チャンバー、シリンダーなど、複数そのまま使えるパーツが組み込まれていた。クランク加工、クランクケースの加工も施され、ベアリングとオイルシールを交換。一時減速とミッション、CDIを交換すればエンジンは完成となる予定だった。 が、 やっちまうのであった。アホだ。素人だ。 ミッションの噛み合いを確認せずに強引にケースを閉めて行ったら割ってしまうのであった。 |
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ベアリング類は本来C4規格のものを使うのが一般的だが、私はKOYOのC3規格のものを選択。 |
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ケースを交換したので、自分で加工を施す。 |
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ケースを閉めた後で、シフターがそのまま使えないことを知る。画像のシフターはPKに使用されているもので、50sのケースで使用する場合、ケース後部を削ってやらないと装着できない。 |
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剥離、板金、塗装。 室内を粉塵まみれにしてしまった。後始末が大変なので、良い子は真似しないように。 |
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Vespaの弱点、フロアーを3mmのアルミ板で補強する。 | |
そしてこの後、ワイヤーを通し、電装を組み上げる。これまた大変な作業で、シフトワイヤーがしっかりはまっておらず、走行中にシフトチェンジができなくなったり。 | ボスから貰ったシフト調整のワンポイントアドバイス。 自転車のワイヤーを引っ張る道具を使って、ハンドル側のシフトワイヤーアウターが、しっかりとホルダーにはまっていることを確認せよ。 |
Vespa GPでは、バンク角を稼ぐため、リアショックにディスタンスナットと呼ばれるスペーサーを取り付け、リアを押し上げているが、そのまま強引に取り付けると、エキパイ、クランクケースにショックが干渉してしまう。さらに危険なのが、インテークマニフォールド(インシュレーター、ホースバンド)がボディーに入る穴に干渉する。 | 対策として、リアショックアッパマウントを後方に動かすため、取り付け穴を開け直す。車のピロアッパーマウントのように、楕円の穴を開けるのもいいかもしれない。 マニフォールドが通る穴は、リアスイングアームの動きを想定して、穴を拡張する。大概、ホースバンドが干渉する。 |
Small Vespaを扱って最初に驚いたところ。Fブレーキ。 マジかよ!ってくらい効かない。 ボスから国産スクーターのワイヤーを流用するようアドバイスを受ける。 また、剛性、精度の高いドラムに交換するのも有効だ。 |
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CDI化する。これは配線図と睨めっこになるが、ダイナモからの配線をコイルとレギュレターに送る。灯火類はレギュレターからの配線につなぐが、キルスイッチは独立させる。 ストップランプスイッチは、極性が変わるため、PX,PK等のペダルを踏むとスイッチが入るタイプに変更し、片方にレギュレターからの配線、もう片方にストップランプにつなぐ。 |
山口エンジニアリング製作のバックステップ |
皆さんに知恵を借り、Vespa GP 62号車は、2021年最終戦でデビューし、ストレートだけ速いマシンとして参戦し、連続最下位記録を更新し続けている。 |
主な部品供給元 | 宇賀神商会 |