一目惚れしたPX150 |
XS-1のコンディションが完璧になると、ちょっと出かけたり、近所の用事にも使うようになったが、毎回あのバカでっかいピストンを温めるため、5分程度暖機運転を行わなければならない。近所中に響き渡るバーチカルツインサウンドを、誰もが歓迎してくれていれば問題ないが、ちょっと可愛らしいオートバイが欲しいと思った。コロナ禍が始まる頃、PX150に出会い、ころっと一目惚れしてしまうのである。 事前に色々と調べてみると、ハンドチェンジのVespaは、正規代理店で販売されていた頃、新車にも関わらず納車整備時にエンジンを分解していたとか。中古で購入するにしても、専門店でないと、何かとややこしそうだ。エンジンもオーバーホールしてくれるとのこと。それに何よりも美しいと感じた。 事前に用意しておいたチューブレスホイールにタイヤを組み込もうとするが、なかなかうまくいかず、ホイールとタイヤを一本ずつダメにしてしまう。 人生初のハンドチェンジ。人生初のVespa。小径車自体もう何年も乗っていなかったため、なかなかうまく乗れない。強引なシフト操作でシフトワイヤーがずれてしまったり、苦戦しながらハンドチェンジに慣れてくると、2サイクルらしい走りができるようになった。 1980年代後半、MFJを走っていた頃の感覚が戻ってきた。PXに跨った瞬間、頭の中に映画「汚れた英雄」のテーマ曲が流れるようになり、Vespa病を発症した。 |
ボアアップしちゃおう。と、安易に考えるのであった。その前にサスペンションを交換していたような気がする。すると走りが一変し、飛ばすようになる。かつてRZ250やTZ250で味わった暴力的な加速感を求め、シリンダーキットを調べていると、副排気ポートのついたシリンダーを発見! 各ポートの面取りし、マイクロロンを刷り込んで組んでみる。 しばらく走ってみて、物足りなくなって、排気ポートを拡張。 ある程度、納得できるものになったが、横浜市街を走っていると18km/L。燃費も素晴らしくなった。 |
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キャブレターもSI24に変更。独特な形状なファンネルを装着していたが、その形状を理想的な形状に加工する。 初めて扱うタイプのキャブレターだったが、なかなか理に適った構造で、理解できるとセッティングもすんなり行った。 最終的に |
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フライホイールが重いのが気に入らない。 追加ウェイトなしで使っていたが後にアドバイスを受け、重い方のウェイトを装着することで、乗りやすくなり、トップスピードも伸びるようになった。 |
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ここまでエンジンを強化する過程のどこかで、Vespaの直進安定性のなさに恐怖を覚え、ステアリングダンパーを装着する。試行錯誤の結果、床下にダンパーを取り付け、フロントフェンダーで動作させることにした。 ダンパー長が長いものでないと装着できない。 |
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PXのスピードメーターの精度。メーター読みで120km/hを振り切って気持ちよくなってしまうが、実速は100km/hを下回っている。 精度が良く、タコメーターも欲しい。そう、誰もが知っているアイツ。このメーター。マニュアルを見てもパルス信号をどこから拾えばいいのか分かりずらい。正しくは、コイルに繋ぐのだが、高性能な点火システムを使用している場合、高回転でノイズを拾い正しい回転数が表示されない。その場合、プラグコードに配線を巻き付けるとノイズを拾わずに回転数を計測できる。PXはこのパターンでOKだった。ただ、プラグコードが完全にノイズを遮断しているタイプだと、この方法ではパルス信号を拾えないので、コイルの配線から信号を拾い、その配線をシリコンホースで覆い、フェライト磁石でかこうとうまくいくのであった。 |
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PX FL以降、ディスクブレーキが装着され、十分な性能ではあるのだが、SIPキャリパーとポリーニのフローティングディスク。最強である。 また、Hengtonマスターの場合、マスターがすぐにへたってしまうので、定期的にシリコーングリスをマスター外側に注入してやらないと結構恐ろしい現象に遭遇する。 |
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どうしても、PXのテールランプのデザイン、取り付け位置が気に入らない。さらに、テールエンドの樹脂パーツが気に入らない。自分なりの理想を求め、このような造形になった。 |