今から数年前のこと。大型家電量販店でPHSを購入したとき、私の左隣で、同じくPHSの契約をしているつっけんどうな店員と気の弱そうな顧客がやりとりしている光景を見た。私はそのとなりでPHSの購入手続きを行っていたが、特に愛想を振りまく販売員だったわけでもないが、商品説明など一生懸命になっている様子が伝わってきた。「ありがとうございました」と、手続きが完了した販売員に、私は笑顔で「どうもっ」と返した。普段無愛想な私も自然と笑顔がでた。販売員の笑顔も自然な笑顔になった。この日から、スーパーマーケットや、コンビニエンスストアーで買い物を済ませた後も、必ず「どうもっ」と、返すようにしている。どんな愛想のいい人でも、反応がない相手には限界がある。

 さて、今回の作品「なじみの顔」は、日頃色々な出先で、無愛想にしている自分への反省の意味も一つではあるが、今回協力していただいた方々は、古い付き合いの人々である。幼少時代から知っている顔、スタジオのアシスタントをやっていたときからの恩師、オートバイのレースをやっていた時からの協力者、現在もなおお世話になっている方々ばかりだ。特に愛想を振りまくわけでもなく、無愛想にすることもなく自然にやりとりできる「なじみの顔」に、感謝の気持ちを込め制作することとなった。

 この企画のために購入した1950年型の二眼レフで撮影したモノクロ写真と、胸像の顔が、38歳になった男に語りかける。

  
10BAN STUDIO 竹芝 西田氏・水本氏

  
(有)松井工具 松井夫妻

  
重枝歯科医院 スタッフの皆さん

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