「黒田はねえ、お母さんとキャッチボールをやって野球を始めたんだって」 「黒田君って、誰だっけ」 「カープの黒田」 「そう。黒田選手のお母さんは、野球がうまかったのね」 「ホーガンやってたんだって」 「ホーガン?砲丸投げ?」 「そう」 球数が増えるにつれ、後ろにそらす事も少なくなり、キャッチボールらしくなってきた。 「マー坊は、カープに入るの?」 「ぼくは、アメリカに行く」 「そう。アメリカは遠いのよ」 「うん。飛行機に乗るんだよ」 「かあちゃんは、飛行機に乗れないから、一人で行くのよ」 「じゃあ、京急で行く」 「三崎口まで、一緒に行ってあげるわ」 |
目次. 第一章へ .27.28.29.30.31.32.33.34.35.36.37.38.39.40.41.42.43.44.45.46.47.48.49.50.51.52.53.54. |
-51-
次のページへ>