キャッチボールの後、部屋にこもってしまった征雄だが、店の営業を開始すると、いつも のようにカウンターの一番隅に座り、何度も読み返した「走れ!ロペス」を読むのであった。 昭和二十年代、少年は、兄たちが原っぱでやっている野球を眺めていた。まだ小さかった 少年は仲間に入れてもらえず、ただ、眺めていた。 ある年の誕生日、目が覚めると、枕元にグローブが置いてあり、少年は野球を始めた。 翌年の誕生日、枕元にはバットが置いてあったという。 月日が流れ、少年は日本プロ野球界で唯一、ミスター・赤ヘルと呼ばれる男になる。 こんな逸話が、何かの記事になっていたが、果たして、ある日、冷蔵庫でよく冷えたグロー ブを見つけ、居酒屋の女将をしていた母親とキャッチボールをはじめた少年は、どんな夢に 向かってゆくことだろう。 2006年9月1日 〜第三章へつづく・・・・ |
目次. 第一章へ .27.28.29.30.31.32.33.34.35.36.37.38.39.40.41.42.43.44.45.46.47.48.49.50.51.52.53.54. 第三章へ |
-54-
トップページへ