坂本は、布団の中で、妙な夢で起こった出来事を一つずつ検証してみる。
望が巻き込まれた紛争とは、何だったのか。 彼女は、いったいどんな病気だったのか。 広告カメラマンの西本が、なぜ、危険な目にあったのか。 自分が乗っていた車は・・・・ あの老人は、ひょっとして悪魔だったのでは・・・・ しばらく考えているうちに、 「あっ、そうか。夢だったんだ」坂本は、布団の中で一人呟く。 『シュール・レアリズム』そんな言葉が頭をよぎり、もそっと起き上がった。 掛け布団を払いのけ、上体を起こし、ベッドから出ようと勢いよく足を右側にひねってみ る。すると、脹ら脛のあたりが柔らかいものに触れた。 ベッドに寝ていたはずの坂本であったが、坂本の脹ら脛に触れたのは、畳の上に並んで敷 かれていた布団で、すやすや眠っている少年であった。 |
目次. 第二章へ .55.56.57.58.59.60.61.62.63.64.65.66.67.68.69.70.71.72.73.74.75. .76.77.78.79.80.81.82.83.84.85.86.87.88.89.90.91.92.93.94.95. |
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