射陽 - 第三章 正義のカミソリシュート -
 坂本は、布団の中で、妙な夢で起こった出来事を一つずつ検証してみる。

 望が巻き込まれた紛争とは、何だったのか。
 彼女は、いったいどんな病気だったのか。
 広告カメラマンの西本が、なぜ、危険な目にあったのか。
 自分が乗っていた車は・・・・
 あの老人は、ひょっとして悪魔だったのでは・・・・

 しばらく考えているうちに、
「あっ、そうか。夢だったんだ」坂本は、布団の中で一人呟く。
『シュール・レアリズム』そんな言葉が頭をよぎり、もそっと起き上がった。

 掛け布団を払いのけ、上体を起こし、ベッドから出ようと勢いよく足を右側にひねってみ
る。すると、脹ら脛のあたりが柔らかいものに触れた。
 ベッドに寝ていたはずの坂本であったが、坂本の脹ら脛に触れたのは、畳の上に並んで敷
かれていた布団で、すやすや眠っている少年であった。
目次.
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.55.56.57.58.59.60.61.62.63.64.65.66.67.68.69.70.71.72.73.74.75.
.76.77.78.79.80.81.82.83.84.85.86.87.88.89.90.91.92.93.94.95.

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