射陽 - 第三章 正義のカミソリシュート -
父は、自分の知らない間に、栄が妹想いの良き兄に成長している事に驚き、喜んだ。
「そうだなあ。なにか見つけとくよ。でも、おまえ一人で作れるのか」
「んんん・・・」
「おう、今日は、お前とよく野球やってる、んんと、なんだっけ、ケン坊。そうそう高橋さ
んの家の近所で仕事してるから。学校が終わる頃までには、何か見つけておくよ」
「・・・うん。じゃあ、帰りに」
豊は、栄の頭の上に大きな手を乗せ
「おまえ、良いアンちゃんだなあ。じゃ、行ってくらあ」
栄は父の大きな重い手で首をすぼめられながら、照れ笑いで、
「いってらっしゃい」と父を見送った。
目次.
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.55.56.57.58.59.60.61.62.63.64.65.66.67.68.69.70.71.72.73.74.75.
.76.77.78.79.80.81.82.83.84.85.86.87.88.89.90.91.92.93.94.95.

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