キャッチ、高田が中継して角のかけらが平松のグローブに入りました」
スケッチブックは平松の投球フォームの絵に 「平松が投げた角のかけらは、カミソリのように切れ込むシュートして赤鬼のおへそにあた り、赤鬼は倒れて 『おなかが減って、イライラしていたんだよ』と言いました。ゴンは、 『山に行けば、いろんな食べ物があるよ。もう、弱いものいじめはしないで』と言いました。 赤鬼は、『わかった』と言って、山のほうにとぼとぼ歩いていきました」 栄はスケッチブックを畳み、ダンボールのゴンを抱える。 「鬼退治から帰ってきたゴンはある、満月の夜、兵十に逢いに行きました。兵十は、もう寝 るところだったのですが、ゴンは言いました『今日、お父さんとお母さんが迎えに来るんだ。 さようなら』兵十は何も言えませんでした。すると、まん丸いお月様から二匹のきつねが降 りてきて、『兵十さん、ゴンが御世話になりました』頭をぺこりと下げ、ゴンを連れてお月 様のほうへ帰って行きました」 栄はダンボールのゴンの前足を左右に振って |
目次. 第二章へ .55.56.57.58.59.60.61.62.63.64.65.66.67.68.69.70.71.72.73.74.75. .76.77.78.79.80.81.82.83.84.85.86.87.88.89.90.91.92.93.94.95. |
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