射陽 - 第三章 正義のカミソリシュート -

「風呂、入れるか」

「いいんじゃないかしら」
 豊は風呂につかり、栄が一生懸命ゴンを造っている様子を想像してみる。さぞ、大変だっ
た事だろう。悄げていた真知子があれだけ喜んでいるとは、栄も喜んでいるに違いない。
我が家は安泰だ。「ふうう。」
 
 茶の間では、朝とは打って変わって賑やかな夕食が始まった。
 
 口をもぐもぐさせながらも、にこにこ笑っている真知子に豊が尋ねる。
「まっちゃん、アンちゃんにいいの作ってもらったなあ」
「えへへ、えへへ」口の中のご飯をゴクンと飲み込んだ真知子が、
「生きてたんだよ、ゴン、生きてたの。それから、うんと、うんとねえ、帰ったの」
「・・・・そうか、よかったねえ」
『帰ったの』の意味が理解できない豊は、ニヤニヤしている栄の顔を見て
「帰ったって?」
栄はただ、ニヤニヤしていた。
事態を詳しく知らない豊に妻の徹子が

目次.
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.55.56.57.58.59.60.61.62.63.64.65.66.67.68.69.70.71.72.73.74.75.
.76.77.78.79.80.81.82.83.84.85.86.87.88.89.90.91.92.93.94.95.

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