夕飯を終えた杉野家の茶の間では、手早く食器を片付け、お膳を畳んで、
脚本・演出・主演・杉野栄による『その後のゴン』夜の部が開演した。 横たわるダンボールのゴンの横で、栄の扮する兵十が 「ゴン、お前だったのか、いつも食べ物をくれたのは」 栄はゴン役に回り、ダンボールのゴンを立ち上がらせ、 「びっ・・くりしたなあ、もう」 栄のナレーション 「兵十は、ゴンが持ってきた栗で、たくさんの栗ご飯を作り、二人で仲良く食べました。 残った分は、おにぎりにしてゴンにあげました。兵十と仲良しになり、栗ご飯を食べて元気 になったゴンは、ライフルを持って弱いものいじめをしている鬼がいるアメリカに行って、 鬼退治をすることにしました。」 ここから、スケッチブックによる紙芝居が加わる。 栄は、紙芝居の一枚目をめくる。球場と二人の野球選手の絵だった。 |
目次. 第二章へ .55.56.57.58.59.60.61.62.63.64.65.66.67.68.69.70.71.72.73.74.75. .76.77.78.79.80.81.82.83.84.85.86.87.88.89.90.91.92.93.94.95. |
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